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阪神5700系全編成側面写真資料集」 を更新しました。

阪神8000系 の編成毎の差異

By snowlavit

今表示されている記事は3ページ構成です。このページでは上記リンク先で取り扱った内容に加え、リニューアル以前から見られる細かな差異について取り扱います。

リニューアル前からの形態差

屋上機器

冷房装置・ラインデリア覆い

8201から8216までのタイプⅠ・Ⅱの冷房装置は分散式のMAU-13H(8201,02新製時除き乗務員室部のみCU-10H)を搭載していましたが、8217以降のタイプⅢ・Ⅳでは冷房装置に集約分散式のCU-198を搭載しており、集約分散式となるのにあわせて、屋根を約50mm高くする車体断面の変更が行われています。

ラインデリア覆いが屋根に飛び出しているのはタイプⅠ・Ⅱで、タイプⅠでは長方形の、Ⅱでは平行な2長方形様(=の形)になっています。

避雷器

タイプⅠ・Ⅱは少し角ばった、5001形などにもみられる旧式のもの、タイプⅢ・Ⅳからは円柱型のものとなっています。※2022年に一部交換

ヒューズ

8201~8218は金具が下側についた旧型、8219以降は金具が上部についた新型です。

車内部品

空調設備配置と吊り広告

タイプⅠ・Ⅱでは、屋根中央部にラインデリアと冷房装置で大きく見た目の異なるものが混載されています。タイプⅢ・Ⅳでは屋根中央部に連続したフィンが取り付けられスッキリとしています。

ラインデリア

ラインデリアにも種類があり、タイプⅠ・Ⅱは左写真、17~34は中央写真、35~50は右写真です。
中央と右では一見同じですが、内部のラインデリア本体を見てみると中央写真は明るい緑系のグレー、右写真は暗いグレーです。

タイプⅠ・Ⅱの冷房装置は左のMAU13-H、乗務員室後部は右のCU10H(タイプⅠは改造で取付)です。

クーラー

網棚上部の線上に何もないものがMAU13搭載のタイプⅠ・Ⅱ、網棚上部の線上に冷房装置の通気口があるのがタイプⅢ・Ⅳです。

車内スピーカ・蛍光灯カバー等

8211F,8213,8013,8214は細かいスリット様のもの、8215F~8229Fまでは丸穴模様、8231F~8249Fはスリット様となっています。

蛍光灯カバーは8231F~8249Fでヒンジの露出していないワンタッチ式へと変更されています。

吊り広告金具・吊手取付金具

上記の通り、MAU13搭載のタイプⅠ・Ⅱと、CU-198搭載のタイプⅢ・Ⅳでは風洞やラインデリア、吹出し口の形状が大きく異なることから、種々の配置が変更されています。吊り広告の台座も例外ではありません。

吊手のポールの取付金具にも種類があります。左写真はタイプⅠ・Ⅱのロングシート部分の金具です。腕が車体外側を向くように取り付けられています。中央写真はクロスシート部分の金具で、車体内側へ腕が向けられています。右写真はタイプⅢ・Ⅳの ロングシート部分の金具です 。

車側灯・車外スピーカ点検蓋

車側灯・車外スピーカの点検蓋にも違いがあります。

タイプⅠは化粧板2点止め、タイプⅡ以降は一辺止めで片開きです。

8211F除くタイプⅡのみ点検蓋の金属枠が地色で、8211Fと8214、タイプⅢ・Ⅳはメッキ仕上げです。ただし、8211Fのもののみ枠が細いのが特徴です。

左:8211F 中:メッキなし 右:メッキあり

網棚

タイプⅠは5001形等と同様のもの、タイプⅡ,Ⅲは少し大型化され、タイプⅣは5500系等と類似したものが備えられています。(※新造時より)

ただし、タイプⅠの車椅子スペース付近に限り、タイプⅡ・Ⅲと同様のものへ変更されています。

非常用ドアコック

中央のものが多数派で、右のものが8211Fと8013,8214に設置されているものです。左の大型のものはタイプⅠ用。

側引戸脇の手すり

端部形状が三種類あります。直角になっているものがタイプⅠ、タイプⅡ・Ⅲは面取りがされています。タイプⅣは少し張り出し幅が大きくなったほか、ビス止めが片側4箇所から2箇所へと減じています。

戸先振止金具・側引戸下レール等

振れ止金具は車内側には8215F以降で設置されたため、8213-8214までとは沓摺部品の形状が異なります。

左が~8213,14までのもの、中央が8215~、右が8233~(少し幅が太い)

座席下パネル継目

タイプⅣのみ継目の上に重ねる板が無く、スッキリしたものとなっています。5500系では再び継目板が復活しています。

化粧板柄

8211F~8235Fは新造時はチェック模様の化粧板、8237F~8249Fは新造時は白いぼかし模様の化粧板でしたが、リニューアル時にぼかし模様に刷新されています。

車体外観

前照灯高さ

阪神8000系 の編成毎の差異阪神8000系 の編成毎の差異

上のスライダーを動かしてチェックしてみてください。高速神戸行きが8211で、須磨浦公園行きが8215です。15のほうが高いでしょう?

8217F以降は車体高が伸びた関係で前面窓の左右二枚が上に長くなっているので、全体的なバランスを考えて、一般的なタイプⅡに比べて前照灯の位置が2cm上昇しています。8215はどういうわけかはわかりませんが、タイプⅢと同じ位置に前照灯が配置されています。

側引戸

側窓高さとのバランスから、窓の天地寸法が二種類あり、タイプⅣの方が大きな窓となっています。
車内案内表示器は、新製時は8233F以降のみ各車浜側1箇所、山側2箇所の千鳥配置で設置されています。

妻面造作

阪神8000系 の編成毎の差異

妻面はタイプⅠ~Ⅲは妻引戸がタイプⅠのみ異なる以外はほぼ同じに見えますが、実は手すり取付高さと竪樋の長さにも差異があります。手すり形状は共通ですが、タイプⅠの方が低く、また白で塗装されています。

※画像の黒線は共通の高さである幌の留め具を結ぶ線分
※竪樋の長さおよび手摺位置の違いの識別のために、水色と桃色の円をかき込んでいます。

窓ガラス刻印

新製時の窓ガラスは旭硝子製で、側窓・妻窓に用いられるTEMPERLITEでは、44番まではTⅢ、45,46番はTR、47~50番や8536,8336はTR5です。

1997~99年の運転台直後側窓固定化により運転台直後の窓はTR5が用いられています。
リニューアルの際に側引戸や妻窓が変更されている場合には、その窓ガラスも交換されています。
リニューアル時交換の窓ガラスには日本板硝子製のものが含まれており、側窓(車いすスペース)と妻窓ではTR5、側引戸ではSR16のPAIRMULTI(11,12番で見られる)やMultiliteが見られます。AGCのTEMPERLITEはタイプⅣのリニューアル時改造部で主に見られますが、しばしば従来ガラスの劣化交換でも用いられているようです。

8536の乗務員室仕切り窓のガラスは1991年製造のTⅢ、運転台直後の側窓は1997製造のTR5です。

連結器交換と車体切欠き

2006~2008年の連結器の換装でスカートの上部板が撤去されましたが、車体下部の切欠きはされないまま数年間残存していました。2011年にかけて、入場の折に切り欠かれたようです。
※2006年リニューアルの8225Fはバンドン連結器のまま出場しています。

転落防止幌

転落防止幌については次のページで詳しく取り上げますが、2004年の8249Fを皮切りに、8227F~8249Fには転落防止幌がリニューアル前に取り付けられました。 8247Fと8231Fは2007年の転落防止幌取付時にヒンジ付きのものが取り付けられています。



snowlavit

生まれた時から阪神電車がそばにいた阪神電車オタク。 時が経つにつれてちょっとずつ変わっていくものが好き。 設備、車両、模型と手を四方八方に出しっぱなしで収拾がつかない。


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