先日実施された東鳴尾踏切道の改良工事についてぶたきむち撮影の写真を交えながら様子を見ていきます。
東鳴尾踏切道とは
東鳴尾踏切道は洲先駅と東鳴尾駅の間にある車両通行が可能な踏切道です。線路に対して斜めに一般道路が交差しています。
工事概要
東鳴尾踏切道でこの度行われた工事は、アスファルト踏切からゴム製踏切への転換を目的としたものです。
下の2枚の写真はそれぞれ工事途中のものと、竣工後のものです。工事途中の写真である1枚目を見ると、踏切の奥の方にアスファルト部が残っている一方で、手前は既にゴム踏切となっていることを理解いただけるでしょう。
工事過程を見ることで、ゴム製踏切(KG式弾性構造踏切:清田軌道製)の概要をも理解することができる有難い工事となっています。
KG式弾性構造踏切の概要
専用の枕木の上にゴム製の敷板を載せるのがKG式踏切の大まかな構造です。
右側の二本は一般に使われる枕木、左側3本の枕木はKG式踏切専用の枕木となっています。通常の枕木に比べ、KG式踏切専用の枕木は質量がとても大きく厚みも大きなものとなっています。
専用枕木の上にはゴム製の敷板が設置されており、端部は移動防止具で枕木に固定されています。
全ての専用枕木に移動防止具を設置するためのボルト穴はなく、必要な枕木にのみ設けられています。
道路が線路に対して斜めであるため、敷板もそれに応じて以下のような配置となっており、図の黄色の枕木では移動防止具が設置されていないためボルト穴も設けられていません。
こうした使用されていないボルト穴には、封がされています。
枕木の上に載せられる敷板は以下のような分割構造となっています。
敷板の中には鋼管製の骨材が埋め込まれています。
敷板の凹凸同士がはまりあうことや、敷板の突起がレール腹部とはまることと、全敷板内をレールに沿って貫くパイプorネジ軸によって敷板同士の結合状態が維持されています。
下の写真は、軌間外舗装版(軌間外=レール同士の間ではない、に設置された敷板)内をレールに沿って貫く穴があり、そこを通るネジ軸の端部を大きく写したものです。
複数の敷板を束ねるという観点では、やきとりの串のようなイメージでネジ軸を捉えると分かりやすいでしょう。
工事途中の風景
2018/12/09の様子
改良前の踏切では、バラストに然るべき処理をした上で、その上にアスファルトを敷いた形となっていました。
写真はアスファルトに切り込みの入れられた様子。
2018/12/13の様子
踏切の半分以上で“ほぼKG式踏切”になっています。
2018/12/18の様子
踏切の南北両端から更新が始まり、更新済み部に取り残された中央部のみが旧来の構造となっています。KG式踏切の仕様ゆえにこのような施工形態となるのでしょうかね。
完成形
完成後の様子。綺麗になりました!!!
参考までに
阪神初のゴム製踏切は福駅西踏切道に設置されたドイツ製の“ストレール”というもの。打出若宮町踏切道など、他の踏切道での採用例もありました。「ストレール 踏切」で検索!