silky_jetさんの「やさしい線路標識/(2-1)距離を表す標識」に関連して、阪神電車沿線で見かける、ちょっと変な距離標をご紹介。
本線・元町
元町駅のホームに立つと、三宮寄りの側壁に「2k400」の距離標が設置されています。本線の0キロポストは三宮にあり、終点は梅田ですので、元町は「マイナス」表示かと思いきや、そういう訳でもありません。
これ、三宮~元町間の路線は、元はと言えば戦前に湊川まで延伸する計画の1期工事として建設されたもの。その際に「阪神湊川」なる起点が設定され、元町~三宮間は湊川起点の距離標が設置されているのです。もちろん、神戸電鉄の湊川駅に現存する0キロポストは阪神の距離標じゃありませんので念のため。
武庫川線
武庫川線の洲先~東鳴尾間に、2キロポストが建っています。いやちょっと待って、武庫川線の営業キロは1.7kmなのに。それどころか、武庫川駅の、R車1編成が昼寝してる本線との交差部には3キロポストもあるのです。つまり、武庫川から武庫川団地前に向かって段々キロ数が減って、1k400の距離標で終わっているのです。
こちらは阪神電車が戦前に計画していた、出屋敷から尼崎市の臨海部を経て甲子園浜に至る「海岸線」計画の忘れ形見。戦時中の軍事輸送を目的として計画された武庫川線は、この海岸線の途中にある「前大浜」(現在の尼崎市元浜あたり)が起点とされ、洲先~武庫川~武庫大橋~省線西ノ宮に至る路線だったのです。
写真は2010年撮影