試運転の概要
車両がホームから外れた状態でドアを開けるといった「扉誤扱」を防止する装置が、1000系の1編成(1205~1255)に設置されました。装置は、車両の先頭部側下面に取付けられた超音波センサや、車内に設置された制御装置や報知ボックスなどから構成されます。両制御車に設置された制御装置は、引通し線を通じて接続されます。
装置の設置後は、梅田~石屋川、大物~姫路、近鉄奈良~大物の3つの区間にわけて機器の動作状況を確認する試運転が2日ずつ実施されました。車両が通常入線する区間のすべてで試運転が実施されたことになります。時速数キロ程度の速度で、試験対象である各駅の停止位置目標前後を通過している様子が確認されました。
2/1,2 梅田~石屋川
機器の設置後、2/1と2/2の両日には梅田~石屋川で試運転が実施されました。梅田駅2番線にも試運転列車が入線しました。
2/4,5 大物(なんば線)~尼崎車庫・~姫路
2/4と2/5の両日には大物(なんば線)~尼崎車庫および姫路までの区間で試運転が実施されました。尼崎車庫の1番線から大物駅にかけて伸びる引き込み線を使用し、列車は尼崎車庫を発ち山陽線へと向かい、各主要駅で入換を挟みつつ試験を行いました。姫路から来た列車は、尼崎車庫に車庫1番線へ入庫し、その後連絡線を通りなんば線大物4番線へと向かい、尼崎駅との間をなんば線で往復したのちに、大物3番線から入庫する行程を2セット行いました。
▼大物~尼崎(車庫線・なんば線) 通常では見られない入換に、普段なら点灯しない大物3番線のGが点灯している
車庫①→大物④ 大物③→車庫①
▼最長10両の止まる尼崎3番線では駅端に至るまで非常にゆっくりと通過した
▼ここを通過する定期列車こそあるが、普段は使わない連絡線を通過し、4番線に逆入線。動画冒頭に少しだけ1210F(ラッピング車)の分割入換が写っている。
▼神戸市内の地下区間ではデータを取りつつゆっくりと通過。ホームドアは未稼動。
▼姫路2・3・4番にも入線
▼駅改良工事中の大塩でも全番線を踏破
▼東須磨・須磨・明石・東二見・高砂でも入念に入換
高砂 東二見 明石 須磨
2/8,9 大物(なんば線)~奈良
2/8と2/9の両日には大物(なんば線)~奈良で試運転が実施されました。近鉄線内では、奈良・大和西大寺をはじめとし、こちらも主要駅で複数の番線に試運転列車が入線しました。
▼東生駒引上げ線・奈良1・2・4番線にも入線
▼ドーム前・大阪難波ももちろん、ゆっくりと通過
▼新淀川橋梁の右岸からの写真 右岸付近は橋梁架け替え工事との記録共々、といった感じに
架け替えに関する記事は記事はこちらを参照
これにて全区間においての試験がなされたと考えられるわけですが、ではその”次”が気になるところですね。
文責:snowlavit・ぐんじょう
写真:snowlavit・scottokarev・hs8000