先日「まもなく見納め・特高ガントリー」ご紹介したピン柱脚タイプの鉄骨ガントリーですが、御影駅にも1基現存しています。
下すぼまりの柱が特徴的な、御影駅西方のピン柱脚ガントリー。元々は奥に見える複線型ガントリーがあった。
ご存知のように御影駅付近は1929(昭和4)年に完成した古い高架線ですので、鉄骨ガントリーも戦前製のものが多く残っています。しかし後年の設備改良に際して色々と改修が行われており、特に1954(昭和29)年の車両大型化に併せて上りホームの有効長を延伸した際に、神戸側の副本線分岐を西に移設し、支障となった鉄骨ガントリーを建て替えたものです。
ピン構造がよく分かる柱脚部は、基礎から一段高くなった複雑な構造。
鉄柱番号プレートには、おそらく先代のデータと思しき「S4.7」の表記が。
上りホーム延伸前の航空写真(国土地理院サイトより)
おまけ:車両大型化に伴って改修された鉄骨ガントリー
大型車導入に伴って建築限界が拡大された際に改修された鉄骨ガントリーの状況が、御影駅で確認することができます。
1929(昭和4)年の高架線建設当時はこの上下本線間に鉄柱が建っていました。
上下ホームと本線、副本線を跨いで架設されたトラスビームは背が高い。
元のブラケットを流用しつつ、背高トラスビームを取り付け。改修時期は不明だがリベットでなくボルトが使われているので戦後、1970年代以降ではなかろうか。
こちらは特高送電線撤去時に改修されたもの。下に見えるリベット締めのブラケットが建設当初のmの。
※「おまけ」追記:2018/09/03