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阪神山陽阪急ATS-第三回 自動閉塞・標準制御

ATS By ぐんじょう

閉塞

当たり前といえばそれまでですが、ATSと信号は切っても切れない関係にあります。

ATSを知ろうにも信号についての知識がなければ元も子もありませんので、阪神らへんの信号の基本的な動作を手短に見ていきましょう。

まず、閉塞という概念を押さえましょう。信号機と信号機の間で区切られた区間を「閉塞区間」と呼びます。(原則は)一つの閉塞区間には1列車しか在線できないということを念押ししておきます。

阪神山陽阪急ATS-第三回 自動閉塞・標準制御

電車にも赤信号があるの知ってますか?ー1閉塞1列車なので、すでに電車が在線している閉塞に後ろから侵入するのは許されません。そこらへんの関係で赤信号があります。

鉄道では赤信号とは言わず、“Red”の頭文字をとってR現示と呼びます。現示なんて言葉の説明もすべきかもしれませんが、ここでは割愛します。

ここでワンランクあがりますよ~

R現示の一つ前はY現示、もう一つ前はYG現示、さらにもう一つ前はG現示です。直感的に言えば、G現示の次がYG、その次がY、そしてRです。G現示の後にいきなりR現示が来たりしません。(YYとか重複半重複があるけどそこらへん許して)

阪神山陽阪急ATS-第三回 自動閉塞・標準制御

POINT

前の閉塞に列車があれば、さかのぼることR現示、Y、YG、Gと順番になる仕組み

筆者が始めてATSについて学ぼうとしたときは、上のポイントが分かってなく苦戦した思い出があります。YYやら重複半重複など例外もあって詳しい人につっこまれそうですが、この原則をまずは覚えましょう。

本来は最初に登場させるべき言葉だったかもしれませんが、上の説明は「自動閉塞」という仕組みにおける説明です。これと対になるのが半自動式信号機とかですが、次回の記事の議題なのでスルーします。

速度

現示ごとに指導速度というか、最高速度が定められています。表にまとめると、こんな感じ。

G 106Km/h
YG 65Km/h
Y 45Km/h
R ストップ

信号現示と指導速度の関係は阪神・山陽・阪急で共通です。

ATS制限速度と指導速度は違うので注意。例えば、20コード(変調周波数20Hz)は70Km/h制限のATS信号ですが、指導速度は65Km/hです。

自動閉塞・標準制御

(赤信号的な)R現示を突破しないようにするために5段階のATSコードを使って速度制御する話は前回までにしました。では、5つのATS信号はどんな風に送信される?使われる?

阪神・山陽・阪急それぞれで設計思想、あるいは路線の性格が違うためATSコードを使った列車制御は各社でまったく異なります。下の図は阪神の話なのでお間違いなく。

阪神山陽阪急ATS-第三回 自動閉塞・標準制御

(補足)YGが無い箇所では、Y現時の手前にあるA点を通過したときに65Km/h照査となります。

R現示の手前がなんかゴチャゴチャしてるな~なんて思っておいてください。逆に、そこ以外は簡単だーって感じでしょうか。

上の図は、Y現示を越えれば65キロ照査になるし、A点を越えれば25キロ照査になるというように読んでください。ただし、S点を越えれば危険域ということで、有無を言わせずにATSブレーキが動作します。

A点 T点 S点 の位置

阪神山陽阪急ATS-第三回 自動閉塞・標準制御

信号機のイラストミスってます(

A点、T点、S点(ひっくるめてB点)それぞれが信号機の何m手前に置かれるかは絶対に決まっていることを把握してください。

乗車率250%時の最長制動距離がB点の位置の根拠になっています。

なお、山陽阪急や、高速ATSではB点の扱いにも違いがあります。


カテゴリー:ATS,車両

ぐんじょう

電車って難しいですよね。いや、ほんとに。


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