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阪神本線連続立体交差事業について。(1-1・鳴尾工区)

構造物 By snowlavit

去る平成29年3月18日に高架切替がなされた武庫川~甲子園間の鳴尾工区。

事業延長は1.87kmで、除去された踏切は甲子園側から「焼屋敷(やけやしき)」「八幡前(やはたまえ)」「鳴尾駅西」(ここに鳴尾駅)「小曽根道(こそねみち)」「寿町」「西開(にしびらき)」の六つ。

この連続立体交差事業は都市計画の一環なので、事業主体は兵庫県となっています。

さてここでこの工事の発端についてざっくりと。

今からおよそ37年前、昭和56年に西宮市議会において「阪神本線甲子園・武庫川間の高架化促進についての請願」が採択されたことに始まり、震災を受けて震災復興事業として位置付けられる。

平成15年には都市計画が決定され事業認可、工事に着手したのは平成20年度になってから。

それからおよそ10年かけてこの事業は完了する、という運びになっています。

仮線への完全移行が平成24年10月13日。僕が撮影している記録は平成25年の5月からです。残念ながら仮線移設以降しか記録を撮っていないので、仮線移設以降のお話になります。

全区間を写真を織り交ぜながらとなると一回では到底無理ですので、幾度かに分けて、区間ごとに記事にしていきます。今回は武庫川~鳴尾の平成26年まで。

各地点の経過

ざっくり説明

平成25年春時点ではまだ仮線に移行して間もない頃ですから、構造物はほとんど建設されていませんが、広い平原状態が続いていたのは25年秋までで、その後には一挙にニョキニョキとコンクリート柱が伸びてきています。26年春にはコンクリート桁が架けられ、夏~秋ごろにはほぼ完全な高架橋としての形になっています。

それでは前面展望の写真と各踏切からの写真を通して、高架橋が出来る25年夏までの様子を見て見ましょう。

<武庫川駅西側>

左が25年5月、元下り本線が撤去完了し、新設架線柱が設置された状態。寿町踏切までが完全に見通せるほどに何もありませんでした。右が26年3月で、既に高架橋の建設が始まっており、防音シートで覆われた構造物がズラーッと連なります。

02.JPG

25年5月、何もないです。この左側に写る架線柱「鳴尾 仮 33」号柱および、この画面の少し手前にある同タイプの架線柱「鳴尾 仮 35」号柱の去就についてはまた次回以降で。

この架線柱の少し手前、本設440号柱付近は仮設と本設が混在していて、高架化後も工事が続いていた区間になります。

「鳴尾 仮 34」号柱には武庫川線への分岐器の信号機がありますね。

これは勿論のちに撤去されますが、こちらもまた次回以降。

<西開踏切東側>

(左:25年5月,右:26年3月)

こちらも26年3月には足場が組まれています。既に陸橋として完成している部分も。

<西開踏切>

(左:25年5月,右:26年3月)

こちらも陸橋部分が完成しているのですが、鳴尾下り第二閉塞の信号柱から左側にはみ出ていた西開・寿町の特殊信号発光器(Ⅰ型およびⅡ型)が撤去され、Ⅰ型は右側の架線柱「鳴尾 仮 27」号柱に、Ⅱ型は同じく右側「鳴尾 仮 28」に移設されています。

04-1.JPG

移設された特殊信号発光器

西開踏切付近。26年1月時点ではつくし状態だったものの、3月時点では橋台部分がおおよそ形になり、8月時点ではコンクリート桁も架橋されているようです。(写真はどちらも8月)

*西開踏切からの写真(平成26年8月)

如何にも建設中な写真を撮るには良い場所だったと思います。

<西開踏切~寿町踏切>

(左:25年5月,右:26年3月)

25年時点では杭打機が写っていますね。26年にはもちろん高架橋がが建設されています。

線路付帯設備は特に位置が変わったりはしていなさそうです。

*寿町踏切からの写真(平成26年8月)

 

この区間も26年8月時点では綺麗に高架橋が連なっています。寿町踏切では「右折禁止」の看板が名物といったところでした。

<寿町踏切~小曾根道踏切>

(左:25年5月,右:26年3月)

画角が違うために制限標が25年の写真には写っていませんが、位置は変わっていません。(たぶん)

この区間で変更が加えられたのは鳴尾下り第一閉塞信号機。信号柱左側に設置されていたものが、センターに変わった上に左側が欠き取られました。

(左:25年5月,右:26年3月)

高架橋の建設状況もわかりますね、26年3月時点ではコンクリート桁は架けられていません。

*小曾根道踏切からの写真

(左:25年9月,右:26年8月)

25年9月はまだコンクリート柱が建っていませんね。この後に一挙にコンクリート柱が生えてきます。

 

(平成26年8月)

*鳴尾駅から小曾根道踏切を望む

ちなみにちょうどこの位置が鳴尾駅の東端から撮影できるポイントでした。

(左:25年9月,右:27年3月)

高架橋建設前後の対照写真としてはもう一枚8523Fをここで撮っておけばよかったなぁ…と。

さてこれで武庫川~鳴尾間の2014年までの高架橋建設を写真で追って行きました。

次回は鳴尾駅かなとは思いますが、鳴尾~甲子園間、甲子園の四区間×(仮線時代・片側高架・高架化完了)と12回+αくらいの構成になるんでしょうか・・・?

記事を書きながら変更点を把握して進めているので一度の更新量はそこまでないかもしれませんが、何とか高架切替まで書き上げていきたいと思います。

次回以降もどうぞよろしくお願いしますm(__)m

 

 

 

 

参考文献:阪神本線連続立体交差事業(鳴尾工区) パンフレット と、僕の頭の中

*画像の無断転載・加工は一切厳禁とさせていただきます。著作権は全て執筆者が有しております。パブリックドメインのものはございません。

**2018/02/18 15:15 誤植訂正及び画像追加・配置変更、一部加筆

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カテゴリー:構造物,阪神本線

snowlavit

生まれた時から阪神電車がそばにいた阪神電車オタク。 時が経つにつれてちょっとずつ変わっていくものが好き。 設備、車両、模型と手を四方八方に出しっぱなしで収拾がつかない。


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